お知らせ


2022.5.15

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大活字本とは

大きな文字で
読みやすい大活字本

本棚の大活字本画像

弱視の方でも読書を楽しめるように

活字本とは、視力の弱い方や、高齢で文字が読みづらくなった方にも読みやすいように、文字の大きさや行間等を調整し、大きな活字で組みなおした本です。大活字図書、大活字版とも呼ばれています。
一般的な文庫本の文字の大きさは9~10ポイント程度ですが、大活字本では、12~22ポイントの文字を使用しています。書体も出版社によって異なり、明朝体・ゴシック体を採用しています。
また、黒い紙に白い文字の印刷で読みやすくした白黒反転本や、リングで綴じてめくりやすく工夫された大活字本も出版されています。 埼玉福祉会の大活字本シリーズは、14ポイントの明朝体(5ミリ角)を使用しております。文字と文字の間隔を1ポイントあけ、行間は活字と同じ14ポイントあけた形にして、読みやすさに留意した体裁にしております。

 造本と選書

埼玉福祉会の
大活字本の特徴

造本について

造本については、当初はA4判ハードカバーでしたが、持ち運びが困難とのご意見もあり、1982年からはA5判ハードカバーへと小型化いたしました。さらに軽量化を図るために2003年からはA5判ソフトカバーへと改め、現在に至っております。

選書について

選書については、当初は近代日本文学の名作を中心に刊行いたしましたが、2、3年後には時代小説・ミステリー・エッセイなど、現代文学作品を中心としたラインナップへと転換いたしました。
著者についても、各年代の著名な作家、話題となった作品を織り交ぜて出版してまいりました。

年に2回、各29~30巻をセットにして刊行しております。ジャンルは「現代文学」と「教養書」に分かれており、現代文学は長編作品と短編作品が交じったラインナップになるよう選書しております。

1タイトルの巻数は1~5巻で収まる分量の作品を選んでおりますが、これまでに『竜馬がゆく』(司馬遼太郎著)と『不毛地帯』(山崎豊子著)の2作品のみ全16巻で刊行いたしました。

沿革

埼玉福祉会の
大活字本シリーズ

「大活字本シリーズ」の
刊行の経緯

~国際障害者年を
めざして~

埼玉福祉会は1978年に厚生大臣から社会福祉法人認可をうけ、同年4月から身体障害者福祉工場(当時の名称)を設置運営することとなりました。従業員のうち、半数は1級・2級の車椅子などの重度障害者30名ほどを中心に操業を開始いたしました。

当初、工場の製版事業においては、和文タイプ・写真植字による組版を地元の印刷会社と提携して展開してきましたが、受注量にむらがあり、年間を通じての仕事の確保が大きな課題となっておりました。

1978年に、京都のボランティア団体「どらねこ工房」が日本初の量産の大活字本『星の王子さま』を製作発行し、翌年には5点を刊行いたしましたが、事業化するに至らず、以降途切れております。

弊会では、1981年の国際障害者年をめざして、欧米では既に普及している大活字本の刊行を図書館関係者・視覚障害者団体の方々からお勧めいただき、また「どらねこ工房」の実績を引き継ぐ形で、1980年11月に当時のベストセラー2点森敦著『月山』、高木敏子著『ガラスのうさぎ』を発行いたしました。

大活字本シリーズ
の沿革

年表
揺籃期の出来事

手探りの状況からの
スタート

多くの書籍の中で何を大活字本として出版するかということについて、当初は教科書出版会社で実績のあった方を中心とした選書委員会が選書を行いました。まずは公共図書館から注目していただくために、日本の小説の中でも森鷗外、夏目漱石、芥川龍之介など近代文学の名作を中心に据え、(弱視の中学生、高校生に読んでもらいたいとの配慮もあり)当時の話題作も取り入れたラインナップといたしました。

めての大活字本のことで、手探りの状況から編集をスタートしました。文字の大きさと行間の組み合わせを検討して、実際に弱視者の方(埼玉県立川越図書館職員、筑波大学附属盲学校生徒など)にも見ていただき、試行錯誤を重ねた結果、刊行までに1年近い時間がかかりました。

1980年11月に2巻、翌月に22巻が出来上がり、全24巻セットとして全国の公共図書館へ訪問販売をいたしました。刊行の際、許諾をいただいた作家の方と出版社へ献本いたしましたが、2ヶ月後に『月山』の著者の森敦先生がお越しになり、大活字本の製作現場をご覧いただき、著書にもご揮毫いただきました。今でも弊会での貴重な資料として保管しております。

刊行40年を迎えて

2010年5月には刊行作品数が1,000点を超え、40周年となる2020年までに1,300点以上もの作品を出版することが出来ました。その間、全国の公共図書館、高齢者施設などにも普及して、弱視者・高齢者の方の手に届くようになりました。

2019年6月に「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(「読書バリアフリー法」)が施行され、大活字本に対する関心が一層高まってきております。

  今後も皆さまのご期待に応えるべく、魅力ある出版を目指してまいります。

2020年11月

目録(カタログ)

大活字シリーズ
既刊目録

目録をダウンロードでご覧いただけます。
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既刊目録

大活字本既刊目録2023年11月(0.8MB)

既刊目録のpdfデータをご覧頂けます。
2023年11月20日現在の書籍を収録しております。 ※品切となる場合がありますことをご了承ください。

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未掲載分目録

大活字本既刊目録<未掲載分>(0.5MB)

既刊目録に掲載されていない大活字本で購入可能な書目をご覧いただけます。(2024年3月1日更新)
※品切となる場合がありますことをご了承ください。

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お問い合わせ

埼玉福祉会の大活字本シリーズについてのお問い合わせはこちらです。
ご意見ご質問等何でもお気軽にお書きください。

社会福祉法人 埼玉福祉会 図書館事業部 印刷・出版課<大活字本事業>
Tel.048-485-7120 Fax.048-481-5833(直通)
E-mail.daikatsuji@saifuku.com