いきなり図書館担当に任命されてお困りの先生方、
どこから手を付ければ…途方に暮れていませんか?
「まずはこれだけやればOK!」
ということをまとめてみました♪
監修:赤木かん子
はじめまして。赤木かん子です。
本の紹介が仕事である私が、ひょんなことから学校図書館の改装にたずさわって早20年。
子どもたちにとっていごこちの良い場所をつくるために今も奔走中です。
2023年7月28日
■公式WEBサイト:赤木かん子 オフィシャルサイト
図書館づくり
ステップ1
旧本の整理
いまある本を整理しましょう。
1.学校の中にある本を集めます。
まずは、学校中のあらゆる本を集めてきましょう。
2.使える本を選びます。
下記のリストにあるような、修復できなかったり、情報が古くなってしまっている本を抜いて、図書館の本として使える本を残します。
残念ながら使えない本リスト
- 壊れている本
- 背中が色褪せて題名が読めないもの(表紙カバーを取ってしまえば使えるものは、取って使います。※1)
- 内容がいまと違ってしまっているもの
<例>平成の大合併以前の日本地図など、データが変わってしまったもの - それぞれの学会が新しい説を承認したもの
<例>羽毛恐竜が載ってない恐竜の本
<例>冥王星を惑星と書いてある宇宙の本→2006年以降、冥王星は惑星から準惑星に変わりました - イラストが古くなってしまったもの
※1,表紙カバーをとって使う場合には、そのカバーに表記してあるISBNの部分は切り取って、ブックコートフィルム等を使って本体に貼り付けてください(セロハンテープは後から劣化するので使うのは避けましょう)。ISBNがないと、登録するときに面倒ですから。
3.残りの本はとりあず今は、
1)段ボールに入れる
2)どこかの棚に入れる
などして、置いておきます。
本を保護するカバーをかけよう
ブックコートフィルム(ブッカー)というのは、公共図書館の本にはかかっている透明なビニールのカバーのことです。特別支援学校は、これをしないと本が保ちませんのでかけたいのですが、最初の一歩としては、今ある本にはかけないでおきましょう。今年買う新刊からはかけたほうがよいです。
ステップ2
本棚をつくる
図書館用の部屋がない場合
どのくらい本棚が必要か、は、どのくらい本があるか、によりますが、ここはとりあえず、はじめの⼀歩として、図書館⽤の部屋もない、ボックス並べてやるしかないなぁ、というレベルのお話をします。
1.本棚だけでも確保しよう
低い2段の書架を使うやりかたです。
私がいつも使うのは、IKEAのビリーという商品の、低段、⽩です。
それを5本並べると、10マスの棚ができます。
その10マスに、この後のステップ4「分類する」で解説する棚サインをつけて、本を⼊れるとかなり整理できるはずです。
2.カラーボックスが、お安くて使えます
もっと安くあげるのなら、ホームセンターで売っているカラーボックス、
これを横にして、2段に重ねて置きます(必ず連結金具を使って、上下を⽌めてください)。
なぜ横にするかというと、タテに置くと絵本は⼊りませんが、横に置けば⼊るからです。
カラーボックスは6本買って、重ねて置くと18マスできます。
※図書館も図書コーナーもない場合、
こういう小さい図書館からも図書館は始められます。
どの本にも合うのは白い本棚です
※本棚(書架)は茶⾊の⽊製、と思っていらっしゃるかたは多いのですが、木製の書架は棚板が動かないものが多く、今のA4サイズの本は入りません。また、赤や黒や茶色の本が沈んでしまいます。どの色の本も一番あざやかに魅せてくれるのは白なのです。
ステップ3
登録する
システムへの登録をしましょう
貸出システムを利用する場合は登録作業が必要です。
コンピューター貸し出しをやっていないところは、いままでのやり方で。コンピューター貸し出しをはじめるところは、買ったソフトによって入れ方が違いますので、取り扱い説明書をお読みください。
ステップ4
分類する
分類はやりだすと
むずかしく、細かいので、
最初の1歩としては、
絵本だけの分類作業をしましょう。
はじめの一歩としては、「小さい絵本」と「作者の分かる物語絵本」だけ分類して本棚に入れるところまでやります。それ以外の本は段ボールに入れてよけておきましょう。この次のステップで詳しく説明していきます。
同時に棚サインと、分類シールを貼っていきますが、色シールで分類しないことが大事です。
それでは分類してみましょう
絵本に分類する本は、”作者がはっきりしている物語”だと決めてそれ以外のものはそれぞれのジャンルに⼊れるとわかりやすくなります。
①まずはサイズの小さい絵本を分類します。
“ピーター・ラビット”のような小さな絵本を普通の絵本と一緒に棚に入れると後ろに回って見えなくなってしまうので、小さい絵本は別におきます。
②「作者のはっきりとわかる物語の絵本」をタイトルのあいうえお順で分類します。
作者のはっきりとわかる物語の絵本をタイトルのあいうえお順で並べていきます。分類する際には、「あ行」もしくは「あ」「い」「う」…のように、その分量によって大きく分けるか、細かく分けるか判断します。
※シリーズものは各タイトルでなく、シリーズ名で。たとえば「⼗四ひき」のシリーズは「さ⾏」へ。
解説いたします。
絵本が⼤量にある公共図書館で、たとえば「あ⾏」だけで5段ある、というところなら、「あ⾏」だけの棚サインでは本が多すぎて探せなくなりますので、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」、の棚サインを貼って探しやすくしますが、、「あ⾏」で2段、までならば、「あ⾏」、「か⾏」、でわけるだけで事⾜ります。
⾊シールで分類しないことが⼤事です。
-
⾊シールは
- ・数がたくさんないので、すぐ⾏き詰まります。
- ・買ったときに微妙に⾊が違いますので、同じ⾚を貼っていても、同じ意味なのか、違う意味なのか、わからなくなりがちです。
- ・⾊には意味がないので、⾚はあ⾏、群⻘はか⾏、のように覚えないと使えません。覚えないと使えないものは使いにくいです。
サインにはイラストのモノを使ってあげると、子どもたちが自分で本棚に戻しやすいので、おすすめです。
ステップ2で作った本棚に棚サインを貼り、①と②で分類した本の背表紙に分類シールを貼って並べます。
ここまでが「はじめの一歩」です。
本格的な分類やコーナーづくりについては只今準備中です。

