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平湯モデルの家具とレイアウトの力で、すてきな図書館を作りましょう!

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研究所だより(49)2011年9月30日更新


◎吉田松陰ゆかりの萩や金子みすず記念館も案内していただきました。

 山口の図書館へのお手伝いに3年越しででかけてきたのですが、そのお返しのこころづかいだったようです。
 小学校教師をしていた父の持物などに西郷隆盛や福沢諭吉や吉田松陰のおもかげをみていました。父が、私の社会への門出にあたり、座敷いっぱい書い て広げた半紙の書の中から一枚を選んで黙って渡した「至誠」のことばも松陰の「至誠而不動者未之有也」からにちがいないと思いました。西郷も松陰も牢の中から講義をしました。西郷の牢は今も奄美の沖永良部島に見ることができますし、松陰の松下村塾は今もそのまま残っていました。
 金子みすずの記念館は、みすずの実家の本屋「金子文英堂」をそのまま復元した、そのうしろにつくられて、その金子文英堂が記念館の入口になっているのはみごとでした。みすずはこんな片田舎(ひどいかな)の本屋に育ってあのすばらしい感性をはぐくんだにちがいありません。本はすばらしい。みすず記念館は、古い街並みを保存した「みすず通り」の真中にありました。
 みすずの26年の人生はドラマですが、半世紀以上埋もれたままのみすずを掘りおこし、そのあと、日本中だけでなく、国外にまでも知らしめている矢崎節夫の仕事もすごいと思います。「みんなちがって、みんないい」は、国際政治から私たちの日常生活にも大切なことだったことを考えさせてくれます。
 萩市立図書館の古い資料はみごとでした。山口県立図書館よりも前に創立されたということです。3年前に案内してもらった、今は萩市に合併された明木村立図書館は、日本最初の村立図書館として知られています。萩市立図書館の古さも、明木村立図書館の古さも松陰にかかわりがありそうです。このあたりのことについて書かれたものがあったら教えていただきたい。

松陰神社の境内の資料館も「至誠館」でした。
「みすず通り」の「金子文英堂」。
2階の左の窓の中がみすずの部屋でした。
◎平湯モデルによるレイアウト依頼が次々と愛知に届いています。

 これまで、図書館の現場やボランティアからの依頼が多かったのに対して、施主である行政や私学法人と設計事務所からのものばかりです。
 新しい教育に対応した学校図書館のレイアウトプランとして具体的に示されたものを、私はまだ見たことがありません。教育委員会でも私学法人でも設計事務所でも、ノウハウがなく、やりようがなくておられたらしいのがよく分かります。
 そこで、通常、業者がやるように、施主や設計事務所が準備したものにそのまま従って、受注、施工するのでなく、これからの教育にしっかり応えるプランをはっきり示すことにしました。例え基本設計が出来あがっていても、さらに、入札もすみ、工事がはじまっていても、これから半世紀も使いつづけることを考えていただくよう提案だけはしていこうというわけです。
 せっかくの仕事を失うリスクはあっても、それをしなければ平湯モデルをやる意味がないと思ってきたからですが、今のところ、この姿勢は、施主にも設計事務所にもかえって信頼をえて、頼りにされているところがあるようにみています。

先月、ちょっとふれた名古屋の「愛知」にできた平湯モデルのショールーム。
本はこれからです。
◎全国の私立小学校から京都に集まった研修会でも話しました。

 50名近い参加者に、小学校図書館の生きかえらせ方について、施設面を中 心に3時間半をいただきましたので、存分にお話できたと思いました。夜の懇 親会では、昼の反応もたくさんきけて満足でした。
 翌日午前中は、京都市内の私立小学校に招かれて、図書館の改修プランについて話し合いました。事務長さん、図書館主任、2人の司書の方たちで話し合いましたが、4人の方たちが同じレベルで存分に発言されるのが大変新鮮で印象的でした。公立では沖縄でしか見られない風景です。とても大切なことです。
 午後から名古屋へ行き、「愛知」にできた平湯モデルのショールームを見せてもらい、カタログづくりについて話し合いました。翌日はセントレア空港に近い常滑の陶磁器まつりを見て帰りました。

◎『絵本の部屋をつくりましょう』というすてきなパンフができました。

 子どもの本と子どもの読書にくわしく熱心な方たちが、幼稚園や保育園に絵本の部屋づくりを進めたいとはりきっておいでです。年来の願いがいよいよ実現されることになりそうです。関心のある人には差上げます。

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