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研究所だより(月報)102 2016年2月28日更新


◎「もったいないが地球を救う」といってノーベル賞をもらったワンガリー・マータイの本を読みました。

 この「研究所だより」の99号で、「アフリかには、『もったいないが地球を救う』といってノーベル賞をもらった人がいたように思います」などと書いて気になっていたので、その人の本を探しました。日本でも既にたくさんの本が出ているのに驚きました。私は手軽に読めそうな「ちくま評伝シリーズ・ワンガリー・マータイ」を読みました。巻末には関連の本が30冊ほどもあげられています。それらの書名を見ていると、たまっている仕事に手がつかなくなりそうです。
それにしても、紳士の国、キリスト教の国イギリスは、アフリカでもほんとにひどいことをしたものです。そして、ワンガリをこんなにりっぱに育てたのもカトリックのシスターたちだったのですから分からなくなります。イギリスに限りません。ほとんどの先進国が、世界中でほんとにひどいことをしてきました。まだやっています。
そういえば、同じこの99号でとりあげた、世界一貧しい大統領、ホセ・ムヒカが、4月5日、初めて日本にやってくるそうです。そして、絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』( 文社)の発行部数はすでに16万部を超えたとか。

源流から辿る近代図書館
日本で「もったいない」というすばらしいことばに出会うことで、環境保護活動につなげていったと言われています。
◎私の、「古典的図書館論(?)」を深める旅をしました。

 1日目。スカイマークを使って1万6百円で神戸へ飛んで、滋賀県立図書館へ。滋賀県立図書館は、前川恒雄さんが、50年前、東京の西郊日野市で日本の図書館変革の口火を切って以来、15年間、日本の図書館をリードしつづけたあと、ここの館長となってさらに10年間、日本の図書館をリードしつづけたところです。  そして、現国松館長は、ずっと前川館長の元で働いて育てられた、まさに子飼いの館長。全国最下位レベルの滋賀県の図書館を全国のトップレベルにまで飛躍させるのに、自らもかかわりつづけたその人です。午後から夜まで、たっぷり語りあって、久方ぶりに満ちたりた一日でした。それは、東海地区大学図書館協議会の研究集会以来私があえて使いつづけている「古典的図書館論」そのものでした。もっと、幾度も訪ねたいと思いました。
 また、頂いた出たばかりの『“ひまわり号”から50年、日本の図書館の現代は?』も、前川さんの最近の講演二つを含むずっしり読みごたえのある「古典的図書館論」でした。
 また、田井郁久雄氏の民営化を検証した論文は、大変明快。民営化は、2年や3年でなく、5年以上で見ると、サービスはもとより、経費削減も全くなされていないことをみごとに立証しています。次に申し込めば、送料込み、5百円で送ってもらえるそうです。(切手可)525-0052 草津市西矢倉3-24-12 T&F 077-563-2097 早田リツ子
 2日目、3日目 日本図書館研究会参加。10年近く前に参加したときは、学校図書館現場のことの感じられない、学校図書館に関する発表がやけに多かったような印象でした。長い学校図書館不振の時代、学校図書館を見向きもしなかった人たちが、司書教諭法制化で、講座で教える教員の需要が出て、論文実績目当てではないのかと、うとましくなり、ごぶさたしていたのが、しばらくぶりに参加してみて、さすが日図研と感じました。
 リタイアして20年、図書館施設にしぼりこんで生きてきて、図書館の新しいうごきにとり残された私には、分からないことや初めてきくことも多かったが、聞き応えのあるものも少なくなかった。ことに2日目のシンポジュームなど内容も話し方も感心した。
 前川さんの「志す人へ」を、だれかに差し上げようと、5部ほど持っていったのに、販売コーナーで売るようにすすめられて並べたら、たちまちなくなり、注文までとっていただいた。
 個人的な率直な感想で恐縮しながら、ひと頃前、図問研の中心的な頼もしい人たちが、幾人もぬけていって、日図研に活動の中心を移されていくように感じつづけてきたが、今、両者のちがいがはっきりしたように思ってしまった。
 4日目。 午前中に大阪市立中央図書館を、午後、神戸市立中央図書館を見学。前者は、森耕一、塩見昇、松岡享子さんたちが、後者は、志智嘉九郎、伊藤昭治、山本昭和さんたちがしっかりかかわられた図書館だから、図書館の大切なところ(古典的図書館)がしっかり築かれていると期待して幾度も訪ねています。納得するところがいくつもありました。できないところもありました。

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